看護師のいじめ・ハラスメント。よくある形と記録の残し方、相談先

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更新日:2026.08.10

看護師のいじめ・ハラスメント。よくある形と記録の残し方、相談先

「態度が明らかに違う」「必要な申し送りが自分にだけ来ない」——看護師の職場で、こうした扱いを受けている方は少なくありません。これは受け手の性格の問題ではなく、対処すべき職場の問題です。この記事では、起きていることを整理し、次の行動を選ぶための考え方をまとめます。

心身に不調(不眠、食欲不振、出勤前の動悸や吐き気など)が出ている場合は、この記事の内容よりまず休むことと、医療機関へ相談することが優先です。判断力が落ちている状態で進退を決める必要はありません。

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看護師の職場で起こりやすい形

暴言のような分かりやすいものだけではありません。むしろ「業務の一環」に見える形をとることが多く、それが周囲に気づかれにくい原因になっています。

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具体例
情報の遮断申し送りが省略される、変更が自分にだけ伝わらない
過小・過大な業務配分受け持ちを極端に増やされる、逆に何も任されない
指導を装った叱責他のスタッフや患者の前で長時間責める
無視・孤立化質問に答えない、休憩時に会話を打ち切られる
評価の操作できたことを記録に残さない、ミスだけを報告する
私生活への干渉結婚・出産・育児の予定について繰り返し言及する

背景にある構造的な要因

個人の資質だけが原因とは限りません。看護の職場には、こうした事態が起こりやすい条件が揃っていることがあります。

  • 閉じた人間関係 — 同じメンバーで長時間・長期間働き、逃げ場が少ない
  • 慢性的な人員不足 — 余裕のなさが、余裕のない言動につながる
  • 厳しさが正当化されやすい文化 — 患者の安全を理由に、行き過ぎた指導が容認されてしまう
  • 年齢と経験年数の逆転 — 中途入職者と既存スタッフの間で立場が複雑になる
  • 管理職の不介入 — 「本人同士で」と扱われ、問題が可視化されない

つまり職場が変われば同じことが起きないケースが多いということでもあります。自分に原因があると考えすぎる必要はありません。

まずやること:記録を残す

相談する場合も、転職する場合も、記録があるかどうかで進め方が変わります。負担にならない範囲で構いませんので、次の形で残しておいてください。

  • 日時(何月何日、何時ごろ)
  • 場所(ナースステーション、病室、更衣室など)
  • 誰が何をしたか(発言はできるだけそのままの言葉で)
  • その場にいた人
  • 業務への影響(申し送りが受けられず対応が遅れた、など)

※感想や推測は分けて書いておくと、後から見返したときに事実関係が整理しやすくなります。スマートフォンのメモでも構いません。

相談先の選択肢

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相談先特徴
直属の上司(主任・師長)最も近い窓口。ただし当事者が上司の場合は使えない
看護部長・人事部門部署単位で解決しない場合の次の段階
院内のハラスメント相談窓口設置が進んでいる。匿名で相談できる場合もある
産業医・保健師心身の不調がある場合。就業上の配慮につながることがある
労働局の総合労働相談コーナー公的な無料窓口。職場外の第三者に相談できる
都道府県のナースセンター看護職向けの相談を受け付けている

職場内の相談だけで解決しない場合、外部の公的窓口を使うことは正当な手段です。近年は事業主に対してハラスメント防止の措置を講じることが法律上求められており、相談したこと自体を理由に不利益な扱いをすることは認められていません。

環境を変える判断をしてよい場合

我慢を続けることが解決につながるとは限りません。次のいずれかに当てはまる場合、転職を具体的に検討する段階です。

  • 相談したが、状況が変わらない・改善の見込みが示されない
  • 相談したことで、かえって扱いが悪化した
  • 心身に不調が出ており、回復の兆しがない
  • 業務に必要な情報が渡らず、安全な看護が提供できない
  • 複数のスタッフが同じ理由で退職している

特に4つ目は重要です。情報が遮断された状態で働くことは、患者の安全に直結するリスクであり、個人が耐えて解決すべき問題ではありません。

次の職場で同じことを避けるために

転職時に確認しておきたい点があります。求人票からは読み取れないため、見学や転職エージェント経由で情報を集めることになります。

  • スタッフの平均勤続年数 — 短い場合、定着しにくい理由があります
  • 年間の離職者数 — 慢性的に求人が出ている職場は要注意です
  • 年齢構成 — 極端な偏りは、新しく入る人が馴染みにくい要因になります
  • 中途入職者の在籍状況 — 中途が定着している職場は受け入れの仕組みが機能しています
  • 教育担当が明確か — 誰が教えるか決まっていない職場では、指導が属人的になります

転職エージェントを利用する利点は、こうした求人票に出ない情報を事前に確認できる点にあります。「人間関係で悩んで転職したい」と正直に伝えたうえで、離職率や職場の雰囲気について情報を持っているか確認してみてください。転職理由をそのまま面接で言う必要はありませんが、エージェントには共有したほうが紹介の精度が上がります。

看護師のいじめ・ハラスメントに関するよくある質問

Q. 自分が悪いのではないかと考えてしまいます。

仕事上の課題があることと、人格を否定されたり情報を遮断されたりすることは、まったく別の問題です。改善すべき点があったとしても、それは適切な指導によって伝えられるべきものです。切り分けが難しいときは、職場外の人に経過を話して意見をもらうと整理しやすくなります。

Q. 証拠がないと相談できませんか?

完全な証拠がなくても相談はできます。日時と内容のメモがあるだけでも、相談を受けた側が状況を把握する助けになります。まず相談し、必要な記録は並行して残していく形で構いません。

Q. 転職理由を面接で正直に言うべきですか?

そのまま伝えるのは避けたほうが無難です。採用側は事情を確認できないため、「同じ理由でまた辞めるのでは」と受け取られる可能性があります。「チームで情報共有を大切にする環境で働きたい」のように、次の職場で実現したいことに言い換えるのが基本です。志望動機の例文集も参考にしてください。

Q. 退職を引き止められています。

退職の意思は本人が決めるものです。伝える時期や進め方は看護師の退職の切り出し方にまとめています。引き止めが強く直接伝えることが難しい場合は、公的な相談窓口に相談する方法もあります。

Q. 一人職場なら人間関係の悩みはなくなりますか?

看護師同士の軋轢はなくなりますが、相談できる同職種がいないという別の負担が生じます。対人負担の少ない働き方は人と関わらない看護師の仕事で解説しています。

まとめ

看護の職場で起きるいじめは、閉じた人間関係や人員不足といった構造的な要因を背景に持つことが多く、受け手の性格の問題ではありません。記録を残し、院内外の相談先を使い、改善が見込めない場合は環境を変える判断をしてかまいません。

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